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診療科・医師紹介

脂肪肝外来

脂肪肝外来の発足にあたって

消化器内科 船津和夫

脂肪肝は生活習慣病の一つであり、肥満者が増加している現代において増加傾向にあります。脂肪肝とは、全肝細胞の30%以上に中性脂肪が溜まっている状態で、男性は主に30〜60歳代、女性は閉経後に当たる50歳以降に多くみられ、頻度は男性が女性の約2倍多くみられます(①、②)。

健診受診者について脂肪肝は約35%、つまり3人に1人と高頻度でみられます(③)。脂肪肝の原因は大きく分けて、アルコールによるものと肥満、特に内臓肥満によるものがあります(④)。後者の肥満に伴う脂肪肝(非アルコール性脂肪肝)はかつて全く心配のない病気と考えられていましたが、近年この中の一部から肝硬変、肝臓がんに進行する場合があることが分かってきました。この進行性の脂肪肝では肝臓に慢性の炎症が生じることから非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と呼ばれています。肝臓がんについてはこれまでC型肝炎によるものが多くを占めていましたが、C型肝炎は治療可能な病気になったことからC型肝炎による肝臓がんは減少し、脂肪肝に由来する肝臓がんが増加することが予想されています。

脂肪肝を発見する最も簡単な方法は腹部超音波検査で、当院でも外来ならびに健康診断時に受けられます(⑤)。この方法では、全肝細胞の約30%以上に脂肪が溜まっていると検出できます。血液検査では、脂肪肝は肝細胞の炎症を示すALT、ALT、γ—GTPやコリンエステラーゼが軽度上昇することがありますが、血液検査は全く正常で腹部超音波検査で見つかることも多くあります。この点について、肥満を指摘された人は腹部超音波検査を受けることをお勧めいたします(保険適応)。非アルコール性脂肪肝炎の確定診断には入院して行われる肝生検検査が必要ですが、危険を伴いかつ患者の負担も大きいことから限られた人でしか行われていません。そこで、非アルコール性脂肪肝炎に伴う肝線維化を一般血液検査から調べる方法として、FIB-4インデックスがあります。これは、年齢、肝機能検査値、血小板数を基に計算でき、非アルコール性脂肪肝炎の進行度をおおざっぱに把握できます。
非アルコール性脂肪肝炎を含めた脂肪肝の治療の基本は生活習慣の是正です。脂肪肝自体が、高血圧、高脂血症、動脈硬化とそれらに起因する心筋梗塞、脳梗塞などと密接に関連していること(⑥)から、生活習慣病の治療が脂肪肝治療の基本です。当診療所では、脂肪肝の人に管理栄養士による食事、運動指導を行っています。次に、われわれがこれまで学会で報告してきた脂肪肝に対するコーヒー飲用の有用性のデータを示します。健康診断時に腹部超音波検査で脂肪肝のない人を対象に、5年後の脂肪肝の有無で2群に分け、コーヒー飲量の推移を比較すると、コーヒー飲量が減少した群で、脂肪肝の発生が多かった(⑦)。このことからコーヒー飲用が脂肪肝発生を抑制している可能性が示唆されました。これまでの国内外の報告をみるとコーヒー飲用は種々の肝機能障害を抑制し、肝臓庇護作用があることが知られています。

肥満がある方や飲酒される方で、肝臓が心配な方は脂肪肝外来をお尋ね下さい。

診察医・担当医

外来診療時間月曜・水曜 午後 / 第1,3,5火曜 午後
担当医船津 和夫