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平成22年度 開催報告


第31回 健康セミナー

1.メタボリックシンドロームを再考する
 講師:三越診療所副所長 山下 毅
2.こころの健康について
 東京大学医学部附属病院精神神経科教授 笠井 清登氏

開会挨拶 小野常務理事

山下講師

笠井講師

総合司会 中村常務理事

熱心に聴講される参加者の皆様

Q&A
質疑応答時にお時間が足りずお答えできなかったご質問への回答です。

メタボリックシンドロームを再考する
質問 回答
Q1.血管の石灰化と動脈硬化の関係は?
(80歳男性)
動脈硬化は、講演のときに説明したような、割と大きな血管にコレステロールが貯まる粥状(じゅくじょう、アテローム)硬化が一般的です。しかしそれ以外に、中膜にカルシウム塩が沈着する中膜石灰化硬化(巣状石灰化)と、高血圧や糖尿病のときに腎臓などの小さな血管に起こる細動脈硬化があります。中膜石灰化硬化は、50歳以上に起こりやすく、胸部レントゲンを撮ると大動脈に丸く映ってきたり、最近では心臓を養っている冠状動脈の石灰化をCTやMRI検査でみて、その動脈硬化の度合いを見る事があります。しかし、石灰化は割と安定な動脈硬化であって、講演時に説明した不安定な動脈硬化とは異なります。
Q2.以前は1万歩歩いていたが、80歳ではどのくらいが良いのでしょうか?(80歳男性) 残念ですが、運動は個人差が大きく、なかなか一概にどの程度が良いと言う事ができません。一般に高齢になると膝や股関節などの運動器疾患が多くなり、1万歩が良いからといって、無理をして怪我や事故で痛めてしまうと、逆に動けなくなり、もともこもありません。要は長続きするために、無理せずにゆっくりと続ける事が重要です。自分でできる範囲内で歩数を設定されてはいかがでしょうか?
Q3.若い時から、LDLコレステロールが基準以下で、HDLコレステロールが40~45以下 だがこのままで良いのでしょうか?(80歳男性) HDLは40~45以下という事ですので、確かにやや低めですが、LDLも低めという事ですので、そう悪くはないと考えます。
講演でも少しお話ししましたが、L/H比(LDL/HDL)が1.5以下なら動脈硬化に関しては心配はありません。バランスの良い食事と運動を心がけてください。
Q4.幼児期から動脈硬化が始まるのはなぜ?
(80歳男性)
動脈硬化は誰にでも起こる老化現象です。老化である動脈硬化は生まれた時から始まっているようです。程度問題ではありますが、より危険因子が多い人では動脈硬化が起こりやすいので、小児期からの肥満など生活習慣に気をつける事が重要視されています。
Q5.高感度CRPが正常なら動脈硬化の発症はないと見ていいのでしょうか?(80歳男性) 回答4にもありますように残念ながらCRPの異常のない小児でも動脈硬化があるように、CRPが正常でも動脈硬化はないとは言えません。でもこれも程度問題でもありますし、とくに高感度CRPの高値は、講演でも説明した動脈硬化病巣の不安定性(動脈硬化巣の破裂しやすさ)と関係あるのと言われているので、動脈硬化性疾患の発症とある程度関係しているようです。
Q6.動脈硬化は炎症のみで発症するものではないのでしょうか?(80歳男性) 動脈硬化はいろいろの原因/要因で進む訳ですが、その過程の中で、炎症・免疫系の働きのあるサイトカイン(講演のときに脂肪細胞から分泌されるホルモン様蛋白であるアディポサイトカインもその一種)が複雑に関与していますので、ある意味「動脈硬化は血管の慢性の炎症である」と表現されます。原因というより、そこで起こっている事象と考えるといいのではないでしょうか。ただ、歯周病の方に動脈硬化が多い事やマイコプラスマ感染者などで動脈硬化が発症しやすい事なども報告され、原因となっている可能性もあります。
Q7.動脈硬化とトランス脂肪酸との関係は?
(80歳男性)
トランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸を安定化させるために水素添加などでできるもので、マーガリンなどに含まれる事があります。人への影響は、LDLコレステロールを増やし、HDLコレステロールを減らす事が報告され、数件のコホート研究では多量に摂取し続けると動脈硬化性疾患のリスクを高めるとの報告があります。アメリカでは1日あたりの摂取が5g以上であるのに対し、日本では1g程度と他の国と比較しても少ないようですが、脂肪の多い菓子や食品などを食べ過ぎないように注意しなければなりません。
Q8.大動脈弁閉鎖不全症がある時の運動はどの程度?(80歳男性) 大動脈弁閉鎖不全症は、心臓の左心室と大動脈の間にある弁が完全に閉まらなくなり、血液が大動脈から左心室に逆流してしまい、心臓に負担をかけ、重症になると心不全になる病気です。原因は加齢性の変化が多いのですが、リウマチ熱の後遺症や大動脈瘤やマルファン症候群などでも合併する事が知られています。逆流する量が軽度ならば、全く日常の生活・運動に支障はありませんが、中等度から重度になると、少し運動するだけで息切れや動悸・むくみなど心不全症状がでる事があるので、医師と相談して運動量を決める事が必要です。そのためにも、定期的に心臓エコー検査を受ける事が重要です。
Q9.女性がHDLコレステロール高値なのは女性ホルモンのため?(80歳男性) 女性ホルモン(エストロゲン)はLDLを減らし、HDLを増やす事が報告されています。肝臓におけるLDL受容体の増加やHDLの構成蛋白であるアポA-1の合成を増やすためです。それ以外に血管内皮機能も改善する作用もあり、動脈硬化予防のためには良いとされています。閉経後女性はLDLが増加し、HDLが低下し、男性に10年から20年遅れて心血管疾患が増えてくるのも、女性ホルモンのためと考えられています。
Q10.5本指の靴の有効性は?(48歳男性) ネットで検索すると最近そのような靴が販売され、姿勢が良くなる、指の血流が良くなる、蒸れにくいなどの効能が示唆されています。自分は整形外科ではないので専門外ですが、調べた限りでは今のところ医学的に有効であったとの報告はなさそうです。自分にあった靴を使ってウォーキングする事は、膝や腰を守り長続きする事が非常に重要ですので、5本指にこだわらず専門店で相談される事をおすすめします。

概要

開催日時 平成22年5月7日(金曜日) 13時00分~15時30分
会場 三越日本橋本店6階 三越劇場
総合司会 三越厚生事業団常務理事・防衛医科大学校名誉教授 中村 治雄
開会挨拶 三越厚生事業団常務理事 小野 俊一
講演 演題1:「メタボリックシンドロームを再考する」
講師1:三越診療所副所長 山下 毅
演題2:「こころの健康について」
講師2:東京大学医学部附属病院精神神経科教授 笠井 清登氏
参加人数 295名

第32回 健康セミナー

特別企画は終了しました


第33回健康セミナー

「糖尿病患者さんの脂質コントロール」
講師:東京慈恵会医科大学附属柏病院総合診療部教授 多田 紀夫氏

健康セミナー会場

多田講師

概要

開催日時 平成22年11月11日(木曜日) 13時00分~15時30分
会場 三越日本橋本店6階 「三越劇場」
総合司会 中村 治雄(三越厚生事業団常務理事・防衛医科大学校名誉教授)
開会挨拶 小野 俊一(三越厚生事業団常務理事)
参加人数 212名

第34回 健康セミナー

1.大腸の病気‐大腸がんを中心に‐
2.糖尿病診療の最新情報

「大腸の病気―大腸がんを中心に―」
講師:近藤 泰理氏(東海大学医学部消化器外科学教授)

はじめに
 ・死因別 死亡率の年次推移
 ・死因別 死亡数の割合
 ・男女別・年齢別にみた死因
1.大腸の病気
 ・大腸がんの症状
 ・痔と大腸がんの出血の違い
2.大腸がん検診
 ・便潜血検査
 ・大腸内視鏡検査
 ・注腸X線造影検査
 ・CT
 ・MRI
 ・PET
 ・腫瘍マーカー
3.大腸ポリープ
 ・大腸ポリープ
 ・de novo
4.内視鏡的切除法
 ・内視鏡生検・ポリープ切除術
 ・内視鏡的粘膜切除術(EMR)
5.大腸がんの予防
 ・この食品がん予防効果あるの?
 ・大腸がんのリスクを抑える日常生活の注意点
1)一日に350gの野菜を食べる
2)牛肉,豚肉は一日に80gまで
3)乳酸菌を含む食品摂取
4)飲酒は一日に1合程度まで
5)太りすぎないように
6)適度な運動
7)禁煙
6.糖尿病と大腸がんの関連
 ・おわりに
 ・健全な体重の維持、適度な運動、バランスの良い栄養など、生活習慣を改善する
 ・早期発見を目的とした便潜血反応や大腸内視鏡などの検査を積極的にうける
 ・加齢や遺伝要因は避けられませんが、生活習慣の改善で 大腸がんのリスクを最小限に抑えることが可能です

「糖尿病診療の最新情報」
講師:細合 浩司 (三越診療所部長)

1.糖尿病の診断基準
 1)旧基準と新基準
 2)HbA1cとは?
   HbA1cの国際標準化:将来的にNGSP相当値で表記
   HbA1c以外の糖尿病検査~グリコアルブミン~
2.糖尿病の現状
 1)国内の糖尿病事情
 2)海外の糖尿病情報
3.糖尿病とは?
 1)肥満との関連
 2)糖尿病は慢性の高血糖を特徴とする疾患群
 3)インスリンの働きと「インスリン抵抗性」
 4)2型糖尿病の自然史研究―健康診断結果から―
4.Whitehall II studyから解ったこと
 1)OGTT2時間値の上昇が空腹時血糖値の上昇に先行
 2)インスリン感受性の低下(抵抗性増大)がインスリン分泌障害に先行
5.合併症
6.健康診断から見えてくる糖尿病像
7.糖尿病対策
 1)生活習慣の改善→食事・運動
  予防:肥満を防ぐ
  学童期から肥満や生活習慣の乱れが見られる。一度生活習慣が乱れ、肥満になると改善が難しく、治療効果が上がりにくくなる。
8.肥満になったら…
 1)肥満治療:薬物、行動療法(食事、運動)
 2)肥満合併症の薬物療法
9.糖尿病の治療
 1)血糖コントロール
  経口薬物療法・インスリン注射
 2)脂質管理
 3)血圧管理
10.予防・治療
 インクレチン関連薬

開会挨拶 小野常務理事

講演1 近藤講師

講演2 細合講師

総合司会 中村常務理事

熱心に聴講される参加者の皆様

概要

開催日時 平成23年2月22日(火曜日) 13時00分~15時50分
会場 三越日本橋本店6階 「三越劇場」
総合司会 中村 治雄(三越厚生事業団常務理事・防衛医科大学校名誉教授)
開会挨拶 小野 俊一(三越厚生事業団常務理事)
参加人数 369名

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