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第42回健康セミナー


概要

日時 2016年11月24日(木)13時より
会場 日本橋三越本店6階『三越劇場』
講師 伊藤 裕 氏(慶應義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科 教授)
演題 「腸内フローラ」の腸!いい話

講演内容


毎日どんないやなことがあってもどんな楽しいことがあっても私たちが唯一絶対に止めないこと~それは「食べること」です。
わたしたちは、「生きるためには食べないといけません」。ですから、からだの中で最も重要な臓器は、食べ物を消化吸収してくれる「腸」です。生物の進化の中で、最も早くできた臓器は「腸」で、「腸」ができてから、あとになって「脳」は「腸」がうまく動くために作れましたし、「心臓」は「腸」が吸収した栄養をうまく運ぶために生まれました。私たちは「食べるために生きている」といってもいいかもしれません。
実は、私たちは、自分一人では、食べたものをうまく消化吸収できません。仲間の力を借りなければ、うまく食べて生きていくことができないのです。この仲間が、腸の中に棲んでいる「腸内細菌」たちです。
私たちは、おなかの中に、自分の細胞と同じ数の細菌(100兆個)を飼っています。重さにしてなんと1キロにも達します。その種類は1000種類ほどあるといわれています。たくさんの種類の細菌が腸に生きているので、そのさまは、「腸内フローラ」(フローラはお花畑という意味)と呼ばれています。ビフィズス菌や乳酸菌など明らかに体にいい菌(善玉菌)や大腸菌などのように体に悪い菌(悪玉菌)のバランスが大切だといわれていますが、最近では、腸内細菌たち全体の種類の多さーバラエテイーが大切だということが分かってきました。
お花畑に咲いている花の種類が大切なのです。「腸」は一番大切な臓器であって、ほかの多くの臓器は、「腸」との関係のなかで、働いています。ですから、「腸内フローラ」の乱れは、腸の病気だけでなく、思いもかけなかった、いろいろな病気の原因となることが明らかになってきています。肥満、糖尿病、癌、アレルギー疾患、腎臓病、動脈硬化、アルツハイマー病、自閉症など多くの病気が、「腸内フローラ」の乱れと関係していると考えられるようになってきました。これまで原因不明と言われてきた病気に、「腸内フローラ」が関わっているかもしれません。ですから、「腸内フローラ」を元気にすることができれば、私たちは、健康長寿の体質を手に入れることができる可能性が高いのです。
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