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ホーム >  コラム >  第1回 動脈硬化とビリルビン - 中村 治雄 -

第1回 動脈硬化とビリルビン - 中村 治雄 -


動脈硬化の成り立ちには、従来から種々の因子の存在が考えられ、それらを一般的に危険(リスク)因子と呼んでいます。それには、高血圧、脂質異常症(コレステロール高値、トリグリセライド高値、HDL(善玉)コレステロール低値など)、喫煙、糖尿病、尿酸高値、運動不足、社会的または精神的問題が挙げられています。性別、年齢によっても影響は受けるのですが、それらは私共が努力をしても変化することはありませんので、私共の努力目標からは除かれます。そこに最近は睡眠不足、ビリルビンが加わってきたのです。睡眠不足は高血圧、糖尿病、喫煙と関係しやすいと言われています。しかし、ビリルビンが何故関係するのでしょうか。

動脈硬化の危険(リスク)因子

  • 高血圧
  • 脂質異常症
    コレステロール高値
    トリグリセライド高値
    HDL(善玉)コレステロール低値など
  • 喫煙
  • 糖尿病
  • 尿酸高値
  • 運動不足
  • 社会的または精神的問題
  • 性別
  • 年齢

ビリルビンは肝臓から作り出される色素の一種で、尿からは排泄されますが、汗や唾液の中には出てきません。私共が黄疸になると、球結膜や皮膚が黄褐色になるのはこの物質が増加しているからです。
しかし、此のビリルビンの役割は良く解っていませんでしたが、従来は毒性があるのではないかと不安を持たれたことがありますが、最近になって酸化を防ぐ役目をしているのではないかと考えられるようになりました。
2011年11月にオランダの研究者からの発表です。
家族性高コレステロール血症というLDLコレステロールが遺伝的に高く、心筋梗塞を発症しやすい病気の人が約500人に1人位の割合であります。これらの人の血液中のビリルビン値を測定しながら経過を見ていきますと、ほぼ同等にLDLコレステロールが高くても、ビリルビン値の高い人からは心筋梗塞を起こす確率は、ビリルビン値の低い人に比べて低いことが解りました。
元来、LDLコレステロールは血液中のマクロファージという細胞に取り込まれ、酸化変性を受けて動脈壁に貯まり、動脈硬化をすすめるのです。
この際、酸化変性を防ぐのにビリルビンが役に立ち、動脈硬化の進行を抑えているのではないかというのです。

三越厚生事業団としても、果たして日本人でもビリルビンがこのようなメリットを示すのかどうか検証していきたいと考えています。
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